拝啓、インドとある丘に登った日より。
その夕日はこの旅で1番美しく、
果てしない彼方を指しているようだった。
遠くの方にメヘランガル砦が観える。
あまりにも壮大で言葉にできず、
僕はただただ”その風”を感じる他なかった。
あの雑音だらけの活気立つインドもこの時ばかりは、自然の堂々とする姿に叶うことはできなかった。
その日最後の日の光が、
ジョードプルを照らし、人々を明日へと誘う。
僕はこの日の夕日の美しさを、風が肌に当たる感触を、岩の暖かさを、永遠に忘れることはないだろう。
日の光が、僕の心の中にある
もやもやを少しずつ剥がしていった。
「生きている」
この自然が教えてくれる感動は、いつも僕にその大いなる魂を伝えてくれる。
少しだけ「人生」について考えた。
結局 人間というのは、自分の運命よりも、他人にどう思われるかを選択してしまう生き物なのだろうか。
世界にはまだまだキミが知らない世界が眠っている。
そう、少しばかり強い風が僕に教えてくれた。
一生見ていられる景色ってあるんだな。
それくらい僕はこの丘から見える夕日に惚れ込んだ。